このままだとアメリカ国家は破綻するのか?

サブプライムローン問題は深刻であり、1929年の大恐慌以来の危機に匹敵すると言われている。米国は株バブルがはじけそうになり、それを防ぐため不動産バブルを作った。結果的に問題を先送りにしたため、更に大きくなった。国内で解決できた日本のバブルと違い、米国は毎年8500億ドルくらい借りないとやっていけない、巨大債務国だ。サブプライムローンの破綻が恐慌にまで発展しないように、世界のそうそうたる投資銀行が、シティ、メリル、モルガンなどの救済に入り、合計500億ドルがウォール街に注がれる。日本でもみずほ銀行が12億ドル強(1400億円)をメリルリンチに出資した。またバーナンキFRB議長は利上げを宣言しているので、これでサブプライム問題は一段落へ向かうかと思われる。日本の金融機関が強かった時に、微罪で大和銀行を起訴したのを機に、日本に金融恐慌を引き起こさせたウォール街を、日本は度々救ってきた。だが、倒産する山一証券を救出せず、底値を買いたたいたのがメリルリンチだった。ウォール街は日本の金融機関を陥れるためにスキャンダルを流しては株を暴落させ、安くなった株をごっそりと買い占めてきた。主要株の3割が外資系の株主になった。BIS規制や時価会計をグローバルスタンダードとして日本に押し付けて銀行の持ち合い株を吐き出さた。倒産した新生銀行を10億円で買い、1兆円で再上場させた。そのような手法がサブプライムローンを招いたのではないか。

日本が持つ105兆円の外貨準備もいずれ紙切れ同然になるのか?

日本の金融機関は、ウォール街を救うような義理はない。むしろ手持ちのドルや株を売りたたいて逃げる最後のチャンスが来た。彼らを助けたところで恩を仇で返されるだけ、アジアの最重要パートナーは中国だという米国人が多くなるだろう。そうはいっても日本政府は米国に言われるがままに経済協力していくだろう。日本政府は、疲弊した地方はほっておいても、日本の株式市場には無関心でも、ドルや米国株が暴落すれば買い支える。郵政民営化も米国の「年次改革要望書」の要求のままに決行した。サブプライム問題でも邦銀が資金拠出する。
◆邦銀、米欧金融機関支援の用意=大手3行が100億ドル準備と英紙 1月16日 時事通信
【ロンドン16日時事】16日付の英紙タイムズは、みずほコーポレート銀行による米証券大手メリルリンチへの12億ドル出資を経済面トップで伝え、日本の3大金融グループが低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン危機にあえぐ米欧の金融機関に対し、「口を出さない投資パートナー」として救済に乗り出す構えだと報じた。3大グループ関係筋は、3行が合計で最大100億ドル(約1兆0600億円)の資金を用意し、資本増強を求めるウォール街の金融機関との交渉に応じる用意があると述べているという。

『無法バブルマネー終わりの始まり』 松藤民輔:著 

健全顧客向けのプライムローンにまで融資が停止されている。年収5000万円を超える顧客向けのジャンボローンですら、新規融資は止まっている。住宅を販売しようにも売れない。新築住宅の適正在庫期問は4ヵ月なのだが、いまや延びに延びて10ヵ月である。中古住宅マーケットはさらに塩漬け状態で、地域一帯がゴーストタウン化することにもつながっている。「サブプライムローンの利上げを今後五年問凍結する」とブッシュは発表したが、焼け石に水にすぎない。マーケットがすっかり冷え込み、延滞率のさらなる上昇は避けられず、融資した資金が回収できなければ、金融機関は破綻してしまう。住宅ローン会社が経営破綻やリストラに追い込まれている。すでに100社が新規貸し出し停止、破産を申請し、数万人という単位で従業員が解雇されている。住宅ローン会社の経営が悪化したのは、銀行がそれまで認めていた住宅ローンを今度は担保として認めなくなったからである。ローン会社は、ローン債権や証券を担保に資金を借り入れたり、社債を発行していた。これもサブプライム債によるクレジットクランチ(信用収縮)で吹っ飛んだ。米国金融マーケットは、住宅ローン証券、社債、国債などの債券市場が5000兆円分もあり、株式市場はその半分くらいしかない。日本のメガバンクは公的資金注入によって身動きがとれず、サブプライム関連商品はその6%を保有するにとどまっている。

Copyright © 2008 サブプライム とは

inserted by FC2 system